コンプライアンス(法令等の遵守)という言葉は、ビジネスの世界にすっかり定着し、当社に限らず、ほとんどの企業がコンプライアンス重視を打ち出しています。しかしその反面、法令違反や、法令違反とまではならなくても社会的に非難される行動により、消費者や顧客の信頼を失い、大きなダメージを負ってしまう会社が後を絶ちません。
これは当社においても、他人事ではありません。当社が、その経営理念の下、長年の事業活動を通じて培ってきたお客様、取引先、その他の関係者からの信頼は、日本光電ブランドとして、何ものにも代えがたい貴重な財産です。その貴重な財産も、たった一度のコンプライアンス違反により失われてしまいます。
コンプライアンスは、企業の社会的責任であり、企業が存続するための最低限の条件です。さらに進んで、当社では倫理的に正しいことを実践する風土を創造するように努めています。日本光電では、コンプライアンス違反は許されません。もし日常の業務において、利益獲得のために不正行為を行うか、法令を遵守するか、二者択一を迫られた場合には、私たちが何の迷いもなく法令遵守を選択することを私は信じています。
当社は、いかなる不正行為や法令違反も許さない、堅固で効果的なコンプライアンス体制を確立し、維持していくことを約束します。そして日本光電が、社会的に存在意義のある会社として今後も永続的に発展するために、私たち一人ひとりがコンプライアンスを徹底し、高い倫理観に基づき、社会人としての良識に従って行動できるよう、強い決意をもって取り組んでいきます。


日本光電工業株式会社
代表取締役社長執行役員
荻野 博一

1.コンプライアンス基本方針

日本光電は、健全な倫理観を養成し、厳格な法令遵守を貫くコンプライアンス体制を構築することに真摯に取り組んでいます。そしてそれは当社の最も貴重な財産であるお客様やお取引先様、その他ステークホルダーの皆様の信頼を守ることにつながります。こうした日本光電の取り組みは、コンプライアンスの基本方針・ルールである「日本光電行動憲章」と「日本光電倫理行動規定」となって具現化されています。
「日本光電行動憲章」は、日本光電がその経営理念の下で企業活動を行っていく上で、会社および役員・社員等が遵守すべき行動基準です。
そして、日本光電で働く全ての役員・社員等が遵守すべきコンプライアンスの基本ルールを定めたものが「日本光電倫理行動規定」です。本規定においては、日本光電の全ての役員・社員等が、事業活動の全てにおいて、社会規範ならびに適用される法令、規制および社内外の規則を遵守し、社会正義を尊重することが明記されています。 

 

日本光電行動憲章

 

  1. 病魔の克服と健康増進に先端技術で挑戦し、環境や安全に配慮した高品質の製品、サービスを提供することにより世界の医療に貢献し、お客様、患者様の信頼を獲得します。
  2. 社会規範ならびに適用される法令、規制および社内外の規則を遵守し、公正で適法な企業活動を行います。
  3. 政治や行政と健全な関係を保つとともに、公正、透明、自由な競争と適正な取引を行います。
  4. 市民社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力に対しては毅然たる態度で臨み、一切の関係を遮断します。
  5. 事業活動のあらゆる場面において、全ての人の人権を尊重し、個人の人格、尊厳を侵害するような行為をせず、不当な差別を行いません。
  6. 株主はもとより、広く社会とのコミュニケーションを図り、企業情報を適切かつ公正に開示し、透明性の高い経営を行います。
  7. 国際社会における企業市民としての責任を自覚し、各国・地域の文化や慣習を尊重して、積極的な社会貢献活動を行います。
  8. 地球市民として環境問題に心を配り、健全な地球環境を子孫に残すために、自主的かつ積極的な取組みを行います。
  9. 安全で働き易い環境を確保するとともに、社員の豊かな生活を創造します。

2.コンプライアンス組織体制

日本光電は、事業展開するすべての地域において、グローバルなコンプライアンス体制を構築しており、全社的にコンプライアンスを徹底するため、以下のような組織体制を整備しています。

コンプライアンス委員会は、取締役会から指名された役員および関連部門長で構成される日本光電のコンプライアンス推進を担う組織です。コンプライアンス委員会の主な役割は、以下のとおりです。
 

  1. コンプライアンスに関する基本規定の改定または新設
  2. コンプライアンス体制の継続的な監督、評価、見直しおよび改善
  3. 重要なコンプライアンス上の問題への対応
  4. その他コンプライアンスに関する事項の検討・対応
     

コンプライアンス担当役員(Chief Compliance Officer)は、日本光電のコンプライアンス体制を管理、運営、遂行する責任者です。また、コンプライアンス担当役員によって任命される各部門・子会社のコンプライアンス担当者(Divisional/Local Compliance Officers)は、各部門・子会社におけるコンプライアンスの推進と徹底を担います。コンプライアンス担当役員は、グループ全体におけるコンプライアンスを徹底するため、コンプライアンス担当者と緊密に連携して業務を行っています。

3.内部通報システム

内部通報システムは、日本光電のコンプライアンス体制に不可欠な制度です。すべての役員・社員等は、コンプライアンス上問題のある行為を行った、または知った場合は、これを会社に報告しなければなりません。何らかの理由により、所属長等を通じた報告ができない場合や、それが適切または効果的ではない場合には、社内および社外に受付窓口を設けている内部通報窓口(ホットライン)を利用することもできます。
これらの内部通報システムを通じて贈賄等の違法行為が報告された場合は、コンプライアンス担当役員が必要に応じて各部門・子会社のコンプライアンス担当者や関連部門と連携して調査を行います。そうした調査の報告は、すべてコンプライアンス委員会に提出されます。
日本光電では、所属長等または内部通報窓口を通じて誠実な報告をした者が、その報告をしたことにより何らかの報復、制裁、その他不利益を受けることはありません。さらに、報告に関する懸念を軽減するために、匿名の報告も受け付けています。また、2022年6月1日施行の改正公益通報者保護法を受け、公益通報者の保護の強化を目的とした新たな規定を定め、内部通報制度の一層の充実を図っています。

4.贈収賄の防止

「日本光電倫理行動規定」の中で、法令などで禁止されている公務員または外国公務員に対する贈賄行為を禁止し、日本の贈収賄に関連する法令、米国のFCPA(海外腐敗行為防止法)、英国のBribery Act(贈収賄防止法)をはじめ、日本光電が企業活動を行うすべての地域で腐敗行為防止に関する法令を遵守するよう徹底しています。また、贈賄を防止するため、「旅費負担、接待と贈り物」「寄付、政治献金」等に関する詳細なルールや手続きを定めた「腐敗行為防止規定」を制定して、その遵守を徹底しています。海外の販売店などのお取引先様についても「日本光電倫理行動規定」と腐敗行為防止に関する教材を提供し、日本光電の腐敗行為防止に対する取り組みへの理解と協力を求めています。

5.コンプライアンス教育

日本光電では毎年、国内外のすべての役員・社員等を対象に、コンプライアンスに関する勉強会を各部門・子会社ごとに実施しています(2022年度の参加者は約5,600名)。役員・社員等は、まず所定の教材を用いて自主学習を行い、理解度をチェックします。次に、職場の社員とともに読み合わせ・ディスカッションを行うことによって、コンプライアンスに対する理解を深めています。また、海外のコンプライアンス担当者には、各国の法規制や政策等に合わせ、必要に応じて追加の教育・トレーニングを実施しています。その他、ハラスメント、医薬品医療機器等法、営業活動など、業務に応じたコンプライアンス勉強会も各部門で実施しています。さらに、2021年度から国内支社支店・国内事業本部の所長等以上の幹部職員全員を対象に、コンプライアンスリスクの中から重要性の高いテーマを選定し、外部専門家による研修を実施しています。
日本光電では、コンプライアンス手帳を作成して全社員に配布しています。このコンプライアンス手帳には、日本光電のコンプライアンス体制や役員・社員等が遵守すべき規定等が記載されており、社員がいつでも手軽に確認・利用できるようにしています。このコンプライアンス手帳は、海外ではCompliance Handbookとして複数の言語に翻訳されており、世界中の社員等がこれを理解して利用できるようになっています。

6.グローバル・コンプライアンスへの取り組み

日本光電では、2017年に「グローバル・コンプライアンス・プログラム」を導入し、海外販売子会社を含むグループ全体でのコンプライアンスの徹底に取り組んでいます。2022年度の主な取り組みとしては、海外販売子会社責任者向けの教育、四半期ごとのLCO(Local ComplianceOfficer)向けのネットミーティング開催、ニュースレター発行等に加え、全海外子会社を対象としたリスク評価を実施し、「グローバル・コンプライアンス・プログラム」の実施状況や「重大なコンプライアンス違反発生ゼロ」を達成するために今後対応すべきリスクの確認等を行いました。
中期経営計画では、「コンプライアンスの徹底とグループガバナンスの一層の強化」「国内販売における内部統制システムの強化」を課題に挙げており、より堅固なコンプライアンス体制を整備します。

7.「グローバル経営管理ポリシー」の策定

日本光電では、グローバルな高付加価値企業への変革を進める中、海外子会社の役割がより重要になっていることから、各社の組織的リスク管理力の強化に努めています。2021年10月には、不正・不祥事の発生・再発防止を目的に、財務・会計、人事・労務、コンプライアンス、社内情報セキュリティに関するリスク管理を支援するための「グローバル経営管理ポリシー」を策定し、海外子会社24社で運用を開始しました。今後は、本ポリシーの内容を定期的に見直し、充実化を図るとともに、より実効性を高められるよう各会社と緊密に連携しながら、運用定着に取り組んでいきます。

倫理企業宣言

2021年1月、当社元社員3名が贈賄の疑いで逮捕・起訴された件を受け、役員をはじめ社員一人ひとりが高い倫理観を持ち、誠実に、公明正大な企業活動を行うことを誓い、倫理企業宣言を制定しました。経営理念の下、倫理的に正しいことを実践する意識を高め、コンプライアンスを何よりも重んじる企業文化を醸成してまいります。

 

倫理企業宣言


私たちは、病魔の克服と健康増進に先端技術で挑戦することにより世界に貢献し、広く社会から信頼される倫理企業であり続けるために、次のとおり宣言します。

  1. 私たちは、法令を遵守し、公正で高い倫理観を持って行動します。
  2. 私たちは、常に公明正大に、健全な競争と取引を行い、一切の贈賄・腐敗行為を行いません。
  3. 私たちは、全ての人の人権を尊重し、個人の人格、尊厳を侵害するような行為をせず、不当な差別を行いません。
  4. 私たちは、事業と企業活動を通じて、グローバルな医療課題や社会的課題の解決に取り組み、持続可能な社会の実現を目指します。
  5. 私たちは、地球市民として、健全な地球環境を次世代に引き継ぐために、環境問題に積極的に取り組みます。

このマークは、日本光電社員一人ひとりが倫理企業宣言を実践するという社会との約束を表現したものです。