従業員満足度

日本光電では、サステナビリティ重要課題(マテリアリティ)の1つである「医療への貢献にやりがいと誇りを持てる組織⾵⼟の醸成」に向けて、「従業員満足度」をKPIに設定しています。2024年度も、国内の日本光電グループ全社員約4,500名を対象に調査を実施しました。本調査は、全48項目を8つのカテゴリに分類し、肯定的な回答者の割合を算出しています。2023年度の結果を受け、社員の自律的なキャリア形成を支援する「NKキャリアサポート」の推進や、生産性の向上に向けた全社的な取り組みを実施した結果、「キャリア支援」、「労働環境」のカテゴリにおいて改善が見られました。さらに、2024年度は、海外子会社20社約1,000名を対象に、国内と同様の調査を初めて実施し、8つのカテゴリすべてにおいて高い満足度であることが確認できました。
調査結果や社員から寄せられた意見は、経営層やマネジメント層に共有し、全社的な施策の立案・実行に加え、各部門における具体的な取り組みにも反映していきます。

社員エンゲージメントの向上(働き方改革・キャリア支援)

中期経営計画で掲げるサステナビリティ重要課題(マテリアリティ)の1つである「医療への貢献にやりがいと誇りを持てる組織⾵⼟の醸成」を実現するため、社員エンゲージメントの向上に取り組んでいます。2021年度から実施している「従業員満足度調査」の結果を踏まえ、「労働環境」の改善と「キャリア支援」の充実に取り組んでいます。

労働環境の改善とワーク・ライフ・バランスに向けた取り組み

労働環境の改善に向けて、日本光電では業務効率の改善や柔軟な働き方の推進を進めています。
長時間労働に依存することなく成果を最大化し、ワーク・ライフ・バランスを実現することを目指し、「働き方改革」に取り組んでいます。取り組みの1つとして、「フレックスタイム制度」や「テレワーク勤務制度」などの諸制度を整備し、柔軟な働き方を促進しています。2024年度の有給休暇取得率は56.2%(1人当たりの取得日数は11.5日)でした。さらに、法定の有給休暇以外にも日本光電独自の有給休暇(積立休暇、特別休暇)を充実させており、2024年度の社員1人当たりの取得日数は2.0日でした。
また、各部門の生産性向上やワーク・ライフ・バランスにつながる取り組み事例を募集する「グッジョブアワード」を、2019年度から2023年度に開催し、会社全体の生産性向上につなげています。生産性向上の取り組みの内容に加え、取り組む姿勢や、取り組む中で感じたやりがいや面白味も共有することで、全社の意識向上に役立てています。

2023年度グッジョブアワード・コアバリューアワードの合同表彰式

※ 業務上でのグローバル共通価値基準の体現エピソードを募集し表彰する取り組み。

 

キャリア支援の取り組み

日本光電では、前中期経営計画においてサステナビリティ重要課題(マテリアリティ)のKPIとして掲げた「従業員満足度」の向上や「グローバルに活躍できる人財の育成」に向け、2023年度から「NKキャリアサポート」と呼ばれるキャリア支援制度を開始しました。2023年11月には、その支援策の1つとして「キャリアについて学ぶ機会の提供」を目的としたeラーニングを公開し、2,000名以上の社員が学習を完了しました。
また、社員のキャリア支援策を整理し、今後の計画を策定しました。社員が自らキャリアプランを構築できるよう、参考資料となる「NKキャリアパス」や、社内の職種を整理した「NKお仕事図鑑」を公開しました。
今後も、社員一人ひとりのキャリア形成を支援する研修や仕組みの整備を進め、社員が自らのキャリアについて主体的に考え、成長を描けるようキャリア自律を支援し、やりがいを持って業務に取り組み、活き活きと働ける環境づくりを目指します。

NKお仕事図鑑のイメージ
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NKお仕事図鑑のイメージ

ワーク・ライフ・バランス支援のための諸制度

2022年度にアフターコロナの新たな働き方を見据えて、「フレックスタイム制度」「テレワーク制度」など諸制度について拡充を図り、柔軟な働き方を促進しました。育児休業開始後1ヵ月間、会社が一部賃金を補助する制度も新設し、男性を含む育児休業取得推進に取り組んでいます。また、新人事制度導入を踏まえて各種手当等の見直しを進めています。

育児に対する支援制度・取り組み

性別を問わず、育児・介護と仕事の両立を実現するための取り組みとして、従来の「育児・介護休職制度」「短時間勤務制度」「シフト時間勤務制度」「テレワーク勤務制度」「フレックスタイム制度」など、働き方に関する諸制度について適宜見直しを行っています。テレワーク勤務については、原則として自宅のみを勤務場所としていますが、介護を目的とする場合等は、特例として自宅外のテレワーク勤務を認めるなど、柔軟な対応を行っています。
また、働き方に関する制度拡充に加え、育児休職期間の経済的な支援制度として、2022年度からは、育児休業開始後1ヵ月間の一部賃金補助を行い、育児と仕事の両立を支援しています。

制度・取り組み

内容

育児休職制度

子どもが2歳になるまで休職できる制度。

介護休職制度

介護を必要とする親族を持つ場合に、最長2年間休職できる制度。

短時間勤務制度

1日の勤務時間を最長2時間(2021年度から。従来は最長1時間)短縮できる制度。2021年度からフレックスタイム制度も適用可能。小学6年生までの子を有する社員など、一定の基準を満たす場合に利用可能。

シフト時間勤務制度

1日の勤務時間を変更せず勤務時間帯を最大1時間シフトすることができる制度。小学6年生までの子どもを持つ社員など、一定の基準を満たす場合に利用可能。

テレワーク勤務制度

事由を限定した従前の在宅勤務制度を廃止し、事由によらず自宅または自宅に準じる場所で勤務可能とする制度。対象は全社員。

子の看護のための休暇制度

小学6年生までの子どもの看護が必要な場合、年5日(2人以上は10日)の特別休暇を取得できる制度。

フレックスタイム制度

社員自らが日々の労働就業時間を決めることができる制度。業務上の必要性により、コアタイム適用の除外が可能。

副業制度

就業時間外での副業を認める制度。一定の基準を満たす場合に利用可能。

積立休暇制度

時効で失効した年次有給休暇を別に積み立て、本人や家族の傷病以外に、子どもの学校閉鎖・臨時休校時に看護が必要な場合に取得できる制度(一定の基準を満たす場合に利用可能)。

リフレッシュデー

就業時間を短くする日を意識的に設けることで、就業前後の時間を有効活用しリフレッシュすることを目的とした取り組み。

カジュアルデー曜日指定の廃止

従前の曜日指定(水、金曜日)を廃止し、曜日によらずTPOをわきまえた服装で勤務可能とする取り組み。

育児休業期間中の賃金補助

雇用保険からの育児休業給付金に加え、育児休業取得開始後1ヵ月間、会社が一部賃金を補助する制度。

実績については、こちらをご覧ください。

ハラスメントへの取り組み

日本光電では、病魔の克服と健康増進に先端技術で挑戦することで世界に貢献し、広く社会から信頼される倫理企業であり続けるため、「倫理企業宣言」において、すべての人の人権を尊重し、個人の人格、尊厳を侵害するような行為をせず、不当な差別を行わないことを宣言しています。併せて、「日本光電倫理行動規定」「日本光電グループ人権方針」「従業員就業規則」においてハラスメントの禁止を明記し、ハラスメントの防止に努めています。
ハラスメントの防止と発生時の早期解決に向けて、「社内ハラスメント相談窓口」の設置に加え、誰もが気軽に相談できるよう「社外ハラスメント相談窓口」も設置しています。寄せられた相談には適切に対応し、相談者や行為者等のプライバシーを厳守するとともに、相談内容や事実関係の確認への協力等を理由とした不利益な取り扱いは一切しないことを周知し、安心して相談できるように努めています。2024年度は、20件のハラスメント相談と5件の苦情相談がありました。
また、ハラスメントを正しく理解するためのeラーニングを、一般社員向け、管理職向けに定期的に実施しており、2024年度は4,211名(受講率100%)が受講しました。新任の管理職に対しても、ハラスメント研修を実施し、働きやすい職場環境の構築のため、ハラスメントの正しい理解と未然防止に努めています。

安全な職場作り

日本光電では、労働基準法および労働安全衛生法を遵守し、職場の災害予防と衛生環境の整備を推進するため、安全衛生委員会を設置しています。安全衛生委員会は毎月会合を開き、各部門から提出された安全衛生に関する議案を審議し、改善活動を行っています。
また、安全衛生委員会に加え、感染症予防委員会を設置し、社員の感染予防に関する教育、調査、審議、注意喚起を行っています。
社員が使用する社用車には、衝突回避支援システム、車線逸脱警報システム、ハイビーム自動切換えシステム、ドライブレコーダーを標準装備しており、必要に応じてスタッドレスタイヤも準備しています。すべての車両は概ね5年のリース契約で調達しており、最新の安全装置を搭載した車両に更新するとともに、ハイブリッド車の導入を推進し、環境にも配慮しています。
さらに、寒さの厳しい地域に勤務する社員に対しては、寒冷地仕様車を手配することで、交通事故削減を推進しています。また、道路交通法の施行規則改定により、2023年12月からアルコール検知器を使用した運転前後のアルコールチェックが義務化されたことから、国内の全事業所で車両管理システムを導入し、運転免許証の確認、運転日誌、運転前後のアルコールチェックを適切に運用しています。
このような取り組みを通じて、日本光電は社員の安全と環境への配慮を両立させています。

労働安全衛生

2022年度

2023年度

2024度

休業労働災害件数(件)

2

1

0

度数率※1

0.29

0.15

0.00

強度率※2

0.00

0.00

0.00

労災による死亡者数

0

0

0

※1 100万延べ実労働時間当たりの労働災害による死傷者数をもって、災害発生の頻度を表したもの
※2 1,000延べ実労働時間当たりの延べ労働損失日数をもって、災害の重さの程度を表したもの

児童労働・強制労働の防止

日本光電は、「日本光電グループ人権方針」「日本光電サステナブル調達基準」において、児童労働・強制労働を行わないことを掲げています。 
日本光電グループにおいては、2021年から定期的なモニタリング調査を開始し、児童労働、強制労働がないことを確認しています。

生活賃金の支援

日本光電は、経営理念において、病魔の克服と健康増進に先端技術で挑戦することにより世界に貢献すると共に社員の豊かな生活を創造することを掲げています。事業活動を行うすべての国において、労働法令を遵守するとともに最低賃金額以上の賃金を支払っています。

福利厚生の充実

各種手当および退職金制度

通勤手当、家族手当、退職金制度など、社員が安心して働ける仕組みを設けています。

従業員持株会

日本光電では、社員が自社株を取得するにあたり、会社が拠出金の給与天引きや奨励金(10%)の支給、株式の共同購入などの便宜を図ることで、社員の長期的な資産形成を支援する制度を設けています。毎月の拠出金額は、一口(1,000円)から、最高で一般社員は50口(50,000円)、年俸制社員は75口(75,000円)まで任意に設定できます。

従業員向け株式給付信託

社員に対するインセンティブの⼀環として、中長期的な業績や企業価値の向上に対する社員の貢献意欲や士気の向上を目的として、2025年5月に従業員向け株式給付信託制度を導入しています。

クラブ活動の奨励

日本光電では、社員相互の理解と親睦を深めるため、趣味やスポーツ等のクラブ活動を奨励しており、活動にあたっては補助金が支給されます。2025年4月現在、25のクラブが精力的に活動しています。

社員の家族向けイベントの実施

日本光電では、社員の家族に職場に対する理解を深めてもらうとともに、家族とのコミュニケーションを一層深めるきっかけとしてもらうため、社員の家族向けに各種イベントを開催しています。
2018年7月には、社員の家族向けに総合技術開発センタの職場見学会・星空観賞会を開催し、EMC試験場の見学、職場見学、AED講習会、バイタル(心電図、SpO2(動脈血酸素飽和度)、血圧)計測体験などを行いました。
2023年度から開催しているAED講習会「子ども参加デー」では、心肺蘇生とAEDの使用方法を学ぶ機会を提供しています。2023年度は11名、2024年度は31名の小中学生の参加がありました。保護者からは「子どもがAEDを知る良いきっかけになった」「学校の夏休みの自由研究に役立てたい」「親子でコミュニケーションを取れる良い機会になった」等の感想がありました。2024年度の講習会では、一般市民によるAED使用が可能になってから20周年を記念し「AEDのあゆみ」コーナーを設置しました。歴代のAEDを展示し、最新のVR動画による「救命の手順」を体験していただくなど、AEDの歴史を感じていただける機会となりました。
2024年8月には、日本光電富岡(株)で親子見学ツアーを開催し、125名の方に参加いただきました。職場・工場見学に加え、バイタル計測体験や救急車の見学、AEDの使用方法の体験、日本光電のAEDキャラクター「かえでちゃん」との記念撮影などを行いました。参加者からは、「実際のモニタに触れて自分の脈を波形で見ることができ、非常に興味深かった」「救急隊員の方から救急車の設備や製品の説明を受けることができて嬉しかった」「自身の仕事を子供に知ってもらえたことが嬉しかった」といった感想が寄せられ、社員の家族に業務内容の理解を深めてもらう良い機会になりました。
日本光電グループは今後も、社員の働きがい向上を目指し、様々な活動を推進していきます。

「子ども参加デー」での講習の様子
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「子ども参加デー」での講習の様子
「AEDのあゆみ」コーナー
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「AEDのあゆみ」コーナー
富岡(株)の親子見学ツアーでのAED体験
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富岡(株)の親子見学ツアーでのAED体験