基本的な考え方

日本光電では、大きく変わりゆく未来の医療環境において、創業から大切にしてきた理念をもとに新たな価値を創造し、世界中の人と医療の未来を導く光となっていきたいという強い想いから、2030年に向けた長期ビジョンの実現を目指しています。長期ビジョンの実現の担い手となる人財こそが日本光電の価値創造の源泉です。日本光電グループの経営理念と長期ビジョンに共感し、7つのグローバル共通価値基準(Integrity、Humbleness、Diversity、Initiative、Customer Centric、Goal Oriented、Creativity)を体現する人財を求めるとともに、高い倫理観と志、好奇心と共感力を持って自律的な成長を続け、新たな価値創造に挑み続ける、そのような人財を育む環境づくりを目指します。
長期ビジョンの実現に向け、中期経営計画の中で「医療への貢献にやりがいと誇りを持てる組織風土の醸成」をサステナビリティ重要課題(マテリアリティ)に特定し、「グローバルに活躍できる人財の育成」をKPIとしました。その目標値として、3年間累計の教育時間を1人当たり45時間以上と設定しています。2021年度、2022年度の実績は、1人当たり18.6時間、18.2時間でした。2022年度のリーダーシップに関する研修の受講者は延べ393名でした。
また、働く価値観の変化や新たな働き方の浸透をふまえ、当社で働く社員が高いモチベーションを持ち、多様なキャリアパスや働き方を実現できる取り組みを進めています。

経営理念およびグローバル共通価値基準の浸透

日本光電の経営理念およびグローバル共通価値基準の浸透を図るために、国内において「グローバル共通価値基準浸透プロジェクト」を公募制で立ち上げ、様々な部門・職種のメンバで施策を立案・展開しています。また、海外子会社では、経営理念教育以外にも、グローバル共通価値基準への理解と日本光電のDNAの浸透を図るために、各国で様々な独自の施策を展開しています。今後も継続的に理念教育を実施するなどし、経営理念およびグローバル共通価値基準の浸透に取り組んでいきます。

人財育成を目的とした人事考課制度

日本光電の人事制度は、従業員が仕事を通じて社会に貢献するという誇りを持ち、自分の能力を充分に発揮し、より豊かな生活を実現することを保証するものとして制定されています。
人事考課制度においては、能力や実績を正しく処遇に反映させ、従業員の意欲を高めるために、年3回上司と部下が面談し、どのように評価されたかをフィードバックする機会を設けています。会社への要望や異動希望等、自己申告の内容についても話し合いの場で確認しています。
また、管理職については、上記の運用に加えて360度診断を実施しています。上司・部下・同僚のアンケート結果をフィードバックすることで、管理職の役割認識を高め、行動変容や能力開発を促進しています。
このように、評価内容のフィードバックにより納得性を高めるとともに、能力開発を促進していくことが、経営理念を体現する人財の育成につながると考えています。

新たな人事制度の導入

2030年のあるべき姿に向けて、経営理念、長期ビジョン、7つのグローバル共通価値基準を体現する人財の育成を推進し、グローバルで整合性・一貫性のある人財マネジメントシステムの構築を目指しています。
2021年4月から管理職を対象に、役割を中心とした新人事制度を導入し、マネジメント層の育成を行うマネジメントコースに加え、高度専門人財の登用を促進するエキスパートコースを設置しました。
2023年4月からは、一般社員についても、新人事制度を導入しました。期待される仕事・役割の大きさを基準とした役割等級制度により、意欲や能力のある社員が積極的に挑戦し、成長できる機会を創出していきます。また、一般社員の新人事制度導入と併せて、65歳までの定年延長(段階的に実施)、再雇用制度の改定を行いました。

教育研修体系

日本光電では、グローバルに通用する人財の育成を目標としています。
グローバルに通用する要件として必要と考える、1)自律型人財、2)プロフェッショナル人財、3)部下の育成を行えるリーダ、これら3つの要素を兼ね備えた人財を育成・強化するよう、教育研修制度および人事制度の構築に取り組んでいます。
営業、管理、技術部門共通の階層別研修制度においては、従業員が受動的に受講するのではなく、従業員自らチャレンジすることを目指し、会社はそのチャレンジをサポートすることを基本方針とした教育研修体系としています。選択型研修の導入により、個々の従業員が自ら専門として選んだ分野でのスキルアップをサポートし、プロフェッショナル人財としての成長を後押しする仕組みとしています。
また、階層別研修とは別に、職種別教育の研修体系を構築しています。
技術職、営業職、サービス職のそれぞれの職種において、各階層に応じて求められる知識や技術を習得できる教育の機会を設けています。さらに、階層を問わず参加可能な、スキルアップの機会も設けられており、従業員の継続的な学びを支援しています。
この教育体系により、日本光電が持つ技術力を発展させ続け、幅広い製品知識を持つ営業員がお客様への価値提案につなげ、製品を長年お使いいただけるようサービス職がサポートする体制を構築し、日本光電の持続的な発展と競争力を生み出しています。

日本光電の役員・社員への国内の年間研修受講時間総計と年間研修受講者延べ人数は以下のとおりです。

2022年度

研修受講時間総計

研修受講者延べ人数

階層別研修(職種共通)

914.3

1,037

職種別研修

営業職向け研修

86.0

218

技術職向け研修

677.8

373

  • フェニックス・アカデミー(人財開発センタ)が主催している研修に関するデータです。

グローバル人財育成プログラム(海外チャレンジ研修)

グローバル人財育成プログラムは、社員がグローバルに活躍するために必要な経験や知識、対応能力を身に付け、世界で通用する人財となることを支援する制度です。同プログラムでは、海外の語学学校への長期留学、海外事業所での職場研修、海外の研究機関・企業などでの実務研修、海外の大学・研究機関への留学の機会を社員に提供しています。新型コロナウイルス感染症拡大の影響から、2020年度、2021年度は実施を見合わせましたが、2022年度は3年ぶりに4名の社員が約1年間留学しました。
2023年4月現在、国内事業所に勤務する外国籍社員は22名、海外事業所に勤務する日本人社員は47名~{※}です。
今後もより高いスキルを持つ多くのグローバル人財を育成するため、プログラムの拡充を推進していきます。

  • 現地採用の日本人社員を除く

海外子会社における経営理念教育

様々な文化や言語など、異なる背景を持った日本光電グループの社員が、共通の目標や価値基準で行動することが重要であると考え、共通の教材をもとに、グループ全体で経営理念教育を2019年から開始しました。創業の歴史や経営理念、日本光電のグローバル共通価値基準を体系的に学習することで、会社や仕事について考えを深め、魅力を感じてもらう機会となっています。経営理念教育以外にも、グローバル共通価値基準への理解と日本光電のDNAの浸透を図るために、各国で様々な独自の施策を展開しています。
2021年度からは、グループ各社の人事担当者、教育担当者が集まるグローバル人事会議を年2回開催し、各国独自の経営理念・価値基準の浸透策の共有や、新入社員教育、企業文化の醸成について話し合っています。さらに、グローバル共通価値基準の浸透を図るために、2022年12月には国内において「グローバル共通価値基準浸透プロジェクト」を公募制で立ち上げました。様々な部門・職種のメンバで、「どうすればグローバル共通価値基準を世界中の社員が理解・実践できるか」を検討し、施策を立案・展開しています。
また、人事面におけるガバナンス強化策として、2022年3月に「グローバル人事管理ガイドライン」を制定しました。グループ各社が同じ方針・基準で人事管理を行い、人事管理におけるリスク回避に取り組んでいます。また、人事部門が事業活動を発展させていくためのビジネスパートナーとして十分に機能できる状態を目指して、本社人事部とグループ各社の人事担当者が個別に打ち合わせを実施しています。本ガイドラインに適合していない事項の改善に加え、定期的なコミュニケーションを通じて、グローバルで人事部門が協働する体制を構築します。

ブラジルで開催したコアバリューアワードの様子
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ブラジルで開催したコアバリューアワードの様子
グローバル人事会議の様子
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グローバル人事会議の様子

グローバル共通価値基準

自己啓発学習支援制度

日本光電では、能力開発を自ら積極的に行う従業員を全面的にサポートしています。講座は約341講座を用意し、受講料を会社が負担しています。2022年度は、語学を中心として370名が当制度を利用しています。
また、会社が必要と認めた公的資格の取得の際には、受講料の一部を負担する制度を設けています。