社内教育

日本光電グループでは、従業員一人ひとりが健全かつ公正な取引に関する正しい理解と意識を持ち続けるため、全従業員に対して定期的なコンプライアンス教育を実施しています。特に、調達に関連する部門では、公正競争規約や下請法をはじめ、それぞれの役割に対応した諸法令などの研修を毎年実施しており、2022年度は58名が受講しました。

お取引先様との関係強化

お取引先様とも相互にコミュニケーションを図りながら、「日本光電サステナブル調達基準」への理解と対応をお願いしています。環境や品質への取り組みについて自己評価をお願いするとともに、毎年実施している「サステナビリティアンケート」に回答していただくことで、「日本光電サステナブル調達基準」に関する認識と遵守状況を確認しています。
アンケートを通していただいたご意見は、調達部門へフィードバックし、公正で責任ある調達の実現に向けて活用しています。

「サステナビリティアンケート(2022年度)」の結果

2022年度は、100社のお取引先様に依頼し、そのすべてのお取引先様にご協力いただきました。
調査は、6項目「法令遵守・公正な事業慣行」「人権」「品質」「環境」「情報の管理」「サステナビリティ」の22問で構成され、「法令遵守・公正な事業慣行」「人権」では、90%以上のお取引先様から「取り組んでいる」あるいは「取り組む予定または検討中である」とご回答いただきました。また、これまでのアンケートでは複数のお取引先様から、様々な社会貢献・支援活動への参加報告をいただきました。今後もお取引先様と一体となり、サステナブル調達基準の相互認識を深め、公正な取引を実施していきます。

重要サプライヤーの特定

購入金額が大きいサプライヤーや主要機種・戦略機種の部品を供給するサプライヤー、代替不可能な部品を供給するサプライヤーを「重要サプライヤー」として特定しています。

「サプライヤーアンケート(2022年度)」の結果

2022年度は、国内・海外を含め76社の重要サプライヤーから「サプライヤーアンケート」に回答がありました。
アンケート結果から、サプライヤーによって取り組み状況に大きな差があることが分かりました。「人権」「品質」「ガバナンス」の項目については、多くのサプライヤーが体制構築や各種施策に取り組んでいるのに対し、「環境」の項目については、気候変動対応や環境データの取得などにおいて課題が多いことが分かりました。

リスク低減に向けた施策

得点が低いサプライヤーに対して、アンケート結果をフィードバックし、改善要請するなどの対応を検討しています。また、サプライヤー数社において、「安全衛生」「情報セキュリティ」の項目で、重大な事件・事故に発展する可能性がある事象が報告されたため、速やかに事実確認を行うとともに、適切な是正処置を講じることができるよう支援します。

調査項目

テーマ

詳細項目

サステナビリティ推進

  1. サステナビリティ推進に対する基本姿勢
  2. サステナビリティに対する推進体制
  3. サステナビリティに関する団体・イニシアティブへの署名・参加

環境

  1. 環境への取り組みに対する基本姿勢として、環境マネジメントシステムの構築と運用
  2. 環境関連法令遵守のための適切な管理
  3. 違反事例の有無の把握
  4. GHG(温室効果ガス)の排出量削減
  5. 製造工程、製品における法令等で指定された化学物質削減
  6. 廃棄物の削減
  7. 資源(エネルギー、水、原材料等)の持続可能で効率的な利用
  8. 排水・排気等の管理および汚染発生の削減
  9. 水使用量削減の取り組み
  10. 生物多様性に関する取り組み

人権

  1. 人権に対する基本姿勢
  2. 人権尊重に対する推進体制
  3. 違反事例の有無の把握
  4. 職務上の人権尊重に対するリスクの特定と評価
  5. 強制労働、児童労働の禁止
  6. 夜間労働と危険労働の管理
  7. 外国籍労働者への適切な管理
  8. 差別、ハラスメントの禁止と適切な管理
  9. 雇用における差別の禁止と適切な管理
  10. 障がい者雇用と適切な管理
  11. 適正な賃金の支払いと、法規制の順守
  12. 労働時間の管理
  13. 団結権、団体交渉権、団体行動権に関する適切な対応
  14. 人権に関する相談、通報窓口

品質

  1. 製品・サービスの品質・安全性に対する基本姿勢としての品質マネジメントシステムの構築とその運用
  2. 違反事例の有無の把握
  3. 法令等の安全基準の順守
  4. 責任あるマーケティングや広告
  5. サプライチェーンに対する供給責任
  6. 緊急時の事前対策と対応手順の周知徹底
  7. リコールやクレームの事前対策と対応手順の周知徹底

安全衛生

  1. 安全衛生に関する方針策定
  2. 安全衛生に対する推進体制
  3. 労働災害や労働疾病の状況把握
  4. 違反事例の有無の把握
  5. 職場の安全対策と適切な管理
  6. 災害-事故などの緊急事態の想定と、必要な対策
  7. 健康経営の実施

ガバナンス

  1. 内部統制の構築
  2. 取締役会の実効性評価

コンプライアンス

  1. 適用法令の遵守
  2. 違反事例の有無の把握
  3. 不正行為に関する通報窓口
  4. 反社会的勢力に対する不適切な行為を回避するための適切な管理
  5. 知的財産権に対する不適切な行為を回避するための適切な管理

情報セキュリティ

  1. 情報セキュリティに対する推進体制
  2. 違反事例の有無の把握
  3. 個人情報保護のための取り組み
  4. サイバー攻撃等からの防御策

品質維持と向上への取り組み

お客様のご要望にお応えできるよう、調達する部品・材料の品質維持・向上に取り組んでいます。新規のお取引先様については、品質マネジメントシステムの適切な運用を確認するための監査にご協力をいただいています。既存のお取引先様については、定期的な運用調査や、納入部品の品質に応じた品質監査を行っています。納入部品の品質が最終製品の品質に大きな影響を与えることをお取引先様にもご理解いただくことを通じて、さらなる品質向上に努めています。

責任ある鉱物調達への対応方針

コンゴ民主共和国(DRC)および周辺国産の一部の鉱物の採掘および取引が、同地域で人権侵害や紛争を引き起こしている武装勢力の資金源になっていると言われています。そうした中、米国では2010年7月にドッド・フランク法が成立しました。同法は、米国に上場している企業に対して、紛争鉱物の使用状況についてSEC(米証券取引委員会)へ報告することを義務付けています。また、EUでは2021年1月に紛争鉱物規則が成立し、鉱石や未加工金属を輸入する企業へ紛争地域および高リスク地域(CHARAs)においてOECD Annex Ⅱリスクを把握し、対象となる事業者に年次で報告することを義務付けています。
 
こうした状況を受けて、日本光電では当社製品に含まれる紛争鉱物の使用状況についてのお客様からの調査に積極的に協力しています。調査にあたっては、お取引先様から購入する対象部品に対して3TG(錫、タンタル、タングステン、金)およびコバルト、マイカが含まれているかをCMRT・EMRT帳票を用いて調査しています。また、RMI(Responsible Minerals Initiative)が実施するRMAP(Responsible Minerals Assurance Process)プログラムで認証を受けた精錬所でない場合や、人権侵害や武装勢力の資金源等の問題と関わる紛争鉱物を当社製品で使用していることが判明した場合は、不使用に向けた取り組みを進めてまいります。

紛争鉱物調査の結果

これまで調査を行った製品では、人権侵害等の問題と関わる紛争鉱物の使用は確認されませんでした。また、今後の調査によって、人権侵害等の問題と関わる紛争鉱物を当社製品で使用していることが判明した場合は、日本光電サステナブル調達基準および責任ある鉱物調達方針に従って、不使用に向けた取り組みを進めます。