お取引先様と相互にコミュニケーションを図りながら、「日本光電サステナブル調達基準」への理解と対応をお願いし、環境や品質等の取り組み状況について自己評価にご協力いただいています。
近年、サプライチェーンと連携したサステナビリティ推進の取り組みに対する社会的要請が高まっていることから、お取引先様とのパートナーシップの強化はより一層重要となっています。今後も、日本光電は環境負荷の低減や社会的責任の遂行にお取引先様とともに貢献します。
日本光電は、お取引先様と協働したサステナビリティ推進を目指し、サプライヤー様向けのアンケート調査を行っています。2024年度は、前年度まで毎年実施していた「サステナビリティアンケート」(6項目「法令遵守・公正な事業慣行」「人権」「品質」「環境」「情報の管理」「サステナビリティ」の全22問)に代えて、対象範囲を拡大した「サプライヤーアンケート」(5項目「環境」「人権」「品質管理」「安全衛生」「ガバナンス(コンプライアンス、情報セキュリティ含む)」の全60問)を実施しました。国内外のすべてのサプライヤー465社を対象に調査を実施し、316社から回答を得られました(回答率68.0%)。本アンケートにご回答いただくことで、「日本光電サステナブル調達基準」に関する認識と遵守状況を確認するとともに、各サプライヤーにおけるインシデントの有無、内容、対策等も含めて確認しています。お取引先様と対話を重ねながら適切な対策を協議し、リスク低減とお取引先様との信頼関係構築を目指します。
アンケートを通じて把握した各社のお取り組み状況やご意見は社内にフィードバックし、公正で責任ある調達の実現に向けて活用しています。2024年度のアンケート結果から、以下の取り組み状況を確認しました。
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環境 |
気候変動対応や環境負荷低減に向けた取り組みが低調である。 |
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人権 |
体制構築や各種施策が進められているものの、実態把握の点で課題が残る。 |
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品質管理 |
製品・サービスの安全性や、安全な提供体制の整備などの取り組みが推進されている。 |
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安全衛生 |
方針や体制の整備など、必要な安全対策が講じられている。 |
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ガバナンス (「ガバナンス」「コンプライアンス」「情報セキュリティ」の3点で調査を実施) |
ガバナンス、コンプライアンスだけでなく、サイバーセキュリティに対する対策にも取り組んでいる。 |
ご協力いただいたサプライヤーには、アンケート結果を今後の活動にお役立ていただけるよう、フィードバックシートを共有しました。
引き続き、サプライヤーとの連携を深めながら、サステナビリティの推進に取り組みます。
※ 購入金額が大きいサプライヤー、主要機種・戦略機種の部品を供給するサプライヤー、代替不可能な部品を供給するサプライヤー。
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テーマ |
詳細項目 |
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サステナビリティ推進 |
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環境 |
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人権 |
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品質 |
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安全衛生 |
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ガバナンス |
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日本光電は、サステナビリティの理解促進および腐敗防止への対応強化を目的として、サプライヤーに対する教育・支援を継続的に実施しています。また、サプライヤーとの関係性およびリスク管理の強化を図るため、「サプライヤーアンケート」を実施し、各調査項目(「サステナビリティ推進」「環境」「人権」「品質」「安全衛生」「ガバナンス(コンプライアンスおよび情報セキュリティを含む)」)におけるパフォーマンスや能力を、サプライヤー平均と比較したレーダーチャート付きのアンケート分析結果として、全サプライヤーにフィードバックしています。
さらに、「環境」「人権」「品質管理」「ガバナンス」の各分野において、重大な事件・事故に発展する可能性があると報告されたサプライヤーに対しては、速やかに事実確認を行い、適切な是正・改善措置が講じられるよう協議を行いました。得点が低く、リスクが高いと評価されたサプライヤーに対しては、継続的な追加調査や面談を通じて実態把握を進めるとともに、連携を深めながらサステナビリティの推進に取り組んでいます。
日本光電では、社員一人ひとりが健全かつ公正な取引に関する正しい理解と意識を持ち続けるため、全社員に対して定期的なコンプライアンス教育を実施しています。特に、調達に関連する部⾨では、公正競争規約や下請法をはじめ、それぞれの役割に対応した諸法令に関する研修を毎年実施しており、2024年度は60名が受講しました。
お客様のご要望にお応えできるよう、調達する部品・材料の品質維持・向上に取り組んでいます。新規のお取引先様については、品質マネジメントシステムの適切な運用を確認するための監査にご協力をいただいています。既存のお取引先様については、定期的な運用調査や、納入部品の品質に応じた品質監査を行っています。納入部品の品質が最終製品の品質に大きな影響を与えることをお取引先様にもご理解いただくことを通じて、さらなる品質向上に努めています。
コンゴ民主共和国(DRC)および周辺国産の一部の鉱物の採掘および取引が、同地域で人権侵害や紛争を引き起こしている武装勢力の資金源になっていると言われています。そうした中、米国では2010年7月にドッド・フランク法が成立しました。同法は、米国に上場している企業に対して、紛争鉱物の使用状況についてSEC(米証券取引委員会)へ報告することを義務付けています。また、EUでは2021年1月に紛争鉱物規則が成立し、鉱石や未加工金属を輸入する企業へ紛争地域および高リスク地域(CHARAs)においてOECD Annex Ⅱリスクを把握し、対象となる事業者に年次で報告することを義務付けています。
こうした状況を受けて、日本光電では当社製品に含まれる紛争鉱物の使用状況についてのお客様からの調査に積極的に協力しています。調査にあたっては、お取引先様から購入する対象部品に対して3TG(錫、タンタル、タングステン、金)およびコバルト、マイカが含まれているかをCMRT・EMRT帳票を用いて調査しています。また、RMI(Responsible Minerals Initiative)が実施するRMAP(Responsible Minerals Assurance Process)プログラムで認証を受けた精錬所でない場合や、人権侵害や武装勢力の資金源等の問題と関わる紛争鉱物を当社製品で使用していることが判明した場合は、不使用に向けた取り組みを進めてまいります。
これまで調査を行った製品では、人権侵害等の問題と関わる紛争鉱物の使用は確認されませんでした。また、今後の調査によって、人権侵害等の問題と関わる紛争鉱物を当社製品で使用していることが判明した場合は、日本光電サステナブル調達基準および責任ある鉱物調達方針に従って、不使用に向けた取り組みを進めます。
