日本光電では、社員一人ひとりが健全かつ公正な取引に関する正しい理解と意識を持ち続けるため、全社員に対して定期的なコンプライアンス教育を実施しています。特に、調達に関連する部門では、公正競争規約や下請法をはじめ、それぞれの役割に対応した諸法令などの研修を毎年実施しており、2023年度は60名が受講しました
お取引先様とも相互にコミュニケーションを図りながら、「日本光電サステナブル調達基準」への理解と対応をお願いしています。環境や品質への取り組みについて自己評価をお願いするとともに、毎年実施している「サステナビリティアンケート」に回答していただくことで、「日本光電サステナブル調達基準」に関する認識と遵守状況を確認しています。アンケートを通していただいたご意見は、調達部門へフィードバックし、公正で責任ある調達の実現に向けて活用しています。
2023年度は、107社のお取引先様に依頼し、そのすべてのお取引先様にご協力いただきました。
調査は、6項目「法令遵守・公正な事業慣行」「人権」「品質」「環境」「情報の管理」「サステナビリティ」の22問で構成され、「法令遵守・公正な事業慣行」「人権」では、90%以上のお取引先様から「取り組んでいる」あるいは「取り組む予定または検討中である」とご回答いただきました。また、これまでのアンケートでは複数のお取引先様から、様々な社会貢献・支援活動への参加報告をいただきました。今後もお取引先様と一体となり、サステナブル調達基準の相互認識を深め、公正な取引を実施していきます。

購入金額が大きいサプライヤーや主要機種・戦略機種の部品を供給するサプライヤー、代替不可能な部品を供給するサプライヤーを「重要サプライヤー」として特定しています。
2023年度は、国内・海外の重要サプライヤー137社のうち117社から「サプライヤーアンケート」に回答がありました(回答率85.4%)。
アンケート結果から、2022年度と同様に、サプライヤーによって取り組み状況に大きな差があることが分かりました。「人権」「品質」「ガバナンス」の項目については、多くのサプライヤーが体制構築や各種施策に取り組んでいるのに対し、「環境」の項目については、気候変動対応や環境データの取得などにおいて課題が多いことが分かりました。引き続き、対策を協議し、リスク低減に向けてサプライヤーを支援していきます。
日本光電はサプライヤーに対し、サステナビリティの説明に加えて腐敗防止への対応促進のため、サプライヤーに対して教育と支援を行っています。また、サプライヤとの関係強化とリスク管理強化のため、調査項目の「サステナビリティ推進」「環境」「人権」「品質」「安全衛生」「ガバナンス」「コンプライアンス」「情報セキュリティ」に関する各サプライヤーのパフォーマンスや能力について、サプライヤー平均と比較評価したレーダーチャートを付記したアンケートの分析結果を全サプライヤーにフィードバックしています。さらに、「環境」「安全衛生」「コンプライアンス」の項目で、重大な事件・事故に発展する可能性があると報告されたサプライヤーに対しては、速やかに事実確認を行い、適切な是正/改善処置が行われるよう協議しました。今後も、得点が低く、リスクの高いサプライヤーに対して、継続して追加の実態調査や面談を実施して、支援しています。
テーマ |
詳細項目 |
サステナビリティ推進 |
|
環境 |
|
人権 |
|
品質 |
|
安全衛生 |
|
ガバナンス |
|
コンプライアンス |
|
情報セキュリティ |
|
お客様のご要望にお応えできるよう、調達する部品・材料の品質維持・向上に取り組んでいます。新規のお取引先様については、品質マネジメントシステムの適切な運用を確認するための監査にご協力をいただいています。既存のお取引先様については、定期的な運用調査や、納入部品の品質に応じた品質監査を行っています。納入部品の品質が最終製品の品質に大きな影響を与えることをお取引先様にもご理解いただくことを通じて、さらなる品質向上に努めています。
コンゴ民主共和国(DRC)および周辺国産の一部の鉱物の採掘および取引が、同地域で人権侵害や紛争を引き起こしている武装勢力の資金源になっていると言われています。そうした中、米国では2010年7月にドッド・フランク法が成立しました。同法は、米国に上場している企業に対して、紛争鉱物の使用状況についてSEC(米証券取引委員会)へ報告することを義務付けています。また、EUでは2021年1月に紛争鉱物規則が成立し、鉱石や未加工金属を輸入する企業へ紛争地域および高リスク地域(CHARAs)においてOECD Annex Ⅱリスクを把握し、対象となる事業者に年次で報告することを義務付けています。
こうした状況を受けて、日本光電では当社製品に含まれる紛争鉱物の使用状況についてのお客様からの調査に積極的に協力しています。調査にあたっては、お取引先様から購入する対象部品に対して3TG(錫、タンタル、タングステン、金)およびコバルト、マイカが含まれているかをCMRT・EMRT帳票を用いて調査しています。また、RMI(Responsible Minerals Initiative)が実施するRMAP(Responsible Minerals Assurance Process)プログラムで認証を受けた精錬所でない場合や、人権侵害や武装勢力の資金源等の問題と関わる紛争鉱物を当社製品で使用していることが判明した場合は、不使用に向けた取り組みを進めてまいります。
これまで調査を行った製品では、人権侵害等の問題と関わる紛争鉱物の使用は確認されませんでした。また、今後の調査によって、人権侵害等の問題と関わる紛争鉱物を当社製品で使用していることが判明した場合は、日本光電サステナブル調達基準および責任ある鉱物調達方針に従って、不使用に向けた取り組みを進めます。