経営理念

病魔の克服と健康増進に
先端技術で挑戦することにより
世界に貢献すると共に
社員の豊かな生活を創造する

※経営理念については、こちらのページもご覧ください。

2030年に向けた長期ビジョン 「BEACON 2030」

『グローバルな医療課題の解決で、人と医療のより良い未来を創造する』

 

大きく変わりゆく未来の医療環境において、創業から大切にしてきた理念をもとに新たな価値を創造し、世界中の人と医療の未来を導く光となっていきたい。
私たちの強い想いを込め、2030年に向けた長期ビジョン『BEACON 2030』を策定しました。
詳細は、こちらのページをご覧ください。

前中期経営計画「BEACON 2030 Phase I」の振り返り

3ヵ年中期経営計画「BEACON 2030 Phase I」(2021〜2023年度)は、⻑期ビジョンの実現に向けて基盤の強化に取り組むステージであり、既存事業の収益性の改善、新たな成⻑領域、事業モデルの探索を進めてきました。国内では、新興感染症等に対応できる医療提供体制の構築や医療従事者の働き⽅改⾰等が推進される中、医療安全、診療実績、業務効率につながる顧客価値提案を推進しました。海外では、看護師不⾜や物価上昇の影響が残る中、⽶国、新興国市場における事業基盤の強化、医療従事者の負荷軽減に資する医療機器の提案に重点的に取り組みました。技術開発⾯では、当社初のオートショックAEDや新⽣児蘇⽣モニタ、全静脈⿇酔⽀援シリンジポンプ制御ソフトウェアに加え、⽶国の⽇本光電オレンジメッド LLCで開発した⼈⼯呼吸器の中位機種モデルなど、顧客価値の⾼い新製品を相次いで投⼊しました。また、⽶国のアンプスリーディ社、イタリアのソフトウェアチーム社を買収したほか、⽶国⼦会社を再編し持株会社体制に移⾏するなど、海外事業の基盤強化を図りました。
この結果、「BEACON 2030 Phase I」の最終年度にあたる2024年3⽉期の業績は、国内売上⾼は好調に推移した⼀⽅、注⼒する⽶国や中国の市場環境の変化もあり、海外売上⾼は為替影響を除く実質ベースでは計画未達となりました。海外実質売上の未達に加え、在庫評価減の増加に伴う売上原価率の上昇、⼈員増や賃上げ、インフレによる販管費の増加により、営業利益率も計画未達となり、収益性の改善が課題として残りました。また、世界的な半導体の需給ひっ迫に対応するためサプライチェーンマネジメント改⾰を推進し、グローバルで製品供給を継続したものの、製品・部品在庫の積み増しがキャッシュ・コンバージョン・サイクルの⻑期化につながりました。

3ヵ年中期経営計画「BEACON 2030 Phase II」

激変する世界情勢の中、厳しい経営環境にありますが、前中期経営計画の成果と課題を踏まえ、「BEACON 2030 Phase II」(2024~2026年度)では、全社収益改⾰を実⾏し成⻑領域への投資を本格化するとともに、新たな事業モデルの構築および既存事業との連携を強化します。

1.3つの指標と6つの重要施策

成⻑性、収益性、資本効率性の強化に取り組み、サステナビリティ経営を実践します。

  • 【成⻑性】売上⾼CAGR 5%(2024/3期〜2027/3期)
    製品競争⼒の強化、北⽶事業の成⻑に注⼒
  • 【収益性】営業利益率 15%(2027/3期)
    全社収益改⾰の実⾏、グローバルサプライチェーンの進化
  • 【資本効率性】ROE 12%(2027/3期)
    ⽇本光電版ROICの導⼊、キャッシュ・コンバージョン・サイクルの短縮
  1. 【成⻑性】製品競争⼒の強化
    主⼒の⽣体情報モニタリング事業の強化、⾼成⻑が期待できる⼈⼯呼吸器を含む治療機器事業、消耗品・サービス事業、DHS(デジタルヘルスソリューション)を含むソリューション事業の拡⼤に注⼒。
    設計プラットフォームの共通化、マルチプラント設計、サイバーセキュリティの⾼度化、QA/RA体制の強化。PLM/MESシステムの導⼊に加え、開発プロセス改⾰を推進し、新製品開発期間を短縮。
    ※ QA(Quality Assurance):品質保証、RA(Regulatory Affairs):規制関連業務。
      PLM(Product Life-cycle Management):製品ライフサイクル管理、MES(Manufacturing Execution System):製造実⾏システム。

        
  2. 【成⻑性】北⽶事業の成⻑に注⼒
    ⽇本、北⽶、その他の海外の3地域における市場戦略を強化。成⻑ポテンシャルの⾼い北⽶事業に優先的に資源を配分し、シェア拡⼤と収益改⾰を推進。
    [⽇本]顧客価値提案の⾼度化による、顧客基盤の強化と持続的な成⻑
    [北⽶]⼤⼿IDN/GPO市場、DoD/VA市場深耕によるブランド認知度向上と収益改⾰
    [海外]医療機器に関する法規制対応、現地開発・⽣産・販売・サービス体制の強化
    ※ IDN(Integrated Delivery Network):総合医療ネットワーク、GPO(Group Purchase Organization):グループ購買組織。
      DoD(Department of Defense):⽶国国防総省、VA(Veterans Affairs):⽶国退役軍⼈省。

        
  3. 【収益性】全社収益改⾰の実⾏
    商品ミックス、⽣産性、サプライチェーンの改善に向けた各種施策を実⾏
     
  4. 【収益性】グローバルサプライチェーンの進化
    PSI(⽣産・販売・在庫)管理を⾼度化、グローバルQMS(Quality Management System:品質管理システム)の強化、マルチプラント⽣産の推進
     
  5. 【資本効率性】⽇本光電版ROIC の導⼊
    利益率改善と投資対効果のモニタリング強化
     
  6. 【資本効率性】キャッシュ・コンバージョン・サイクルの短縮
    新設した⽣産本部を中⼼に、調達・⽣産管理機能を強化。債権回収の早期化

2.サステナビリティ経営の実践

サステナビリティの実践に向けては、Phase I のマテリアリティ・KPIを⼀部⾒直し、医療課題、環境課題、社会課題の解決に取り組みます。

グローバル共通価値基準に基づき、Phase I で導⼊したBEACON⼈事制度の浸透および運⽤定着・強化を図るとともに、働き⽅改⾰・⼈員⽣産性の向上に取り組みます。ダイバーシティ&インクルージョンの推進に加え、グローバル⼈財やDX⼈財の育成などキャリア⽀援の充実により、医療への貢献にやりがいと誇りを持てる組織⾵⼟の醸成に取り組みます。
グループガバナンスの⼀層の強化に向け、取締役会の多様性を確保するとともに、CxO体制の導⼊による意思決定の迅速化を図ります。また、株主価値との連動性を⾼めることを⽬的として、役員報酬制度の⾒直しを進めます。

3.経営⽬標値(2027年3⽉期連結)

(単位:億円)

2024/3期

実績

2025/3期

予想

2027/3期

⽬標値

売上⾼

2,219

2,290

2,560

       国内売上⾼

1,423

1,470

1,570

       海外売上⾼
       海外売上⾼⽐率

796
35.9%

820
35.8%

990
38.7%

売上総利益率

50.2%

51.5%

53%

営業利益
営業利益率

195
8.8%

230
10%

385
15%

親会社株主に帰属する当期純利益

170

160

250

ROIC

4.0%

-

12%

ROE

9.8%

-

12%

[地域別海外売上⾼]

2024/3期

実績

2025/3期

予想

2027/3期

⽬標値

北 ⽶

370

381

500

中南⽶

60

52

60

欧 州

131

124

140

アジア州他

234

263

290

[商品群別売上⾼]

2024/3期

実績

2025/3期

予想

2027/3期

⽬標値

⽣体計測機器

465

479

530

⽣体情報モニタ

841

872

980

治療機器

516

532

630

その他

396

407

420

       ⾃社品売上⾼⽐率

73.5%

-

75%

       消耗品・サービス売上⾼⽐率

47.9%

48.5%

50%

       ソリューション売上⾼⽐率

11%

-

11%

為替レートの前提:140 円/⽶ドル、150 円/ユーロ

※ソリューション事業に加え、ソフトウェア・プログラム医療機器、保守サービス品等。

[参考]成⻑のための投資計画

3年間合計で、営業キャッシュ・フローは、800億円以上を⾒込んでいます。研究開発投資は235億円程度、設備投資は250億円程度を計画しています。主⼒の⽣体情報モニタに加え、⼈⼯呼吸器、デジタルヘルスソリューションへの研究開発投資を予定しています。また、鶴ヶ島新⼯場の建設に加え、PLM/MESシステムや⽣成AIの導⼊などコーポレートDXの推進、サプライチェーンマネジメント⾼度化のための設備投資を予定しています。M&Aについては、既存事業とシナジーのあるDHSなどの領域で探索に取り組みます。

4.資本政策の⽅針

健全な財務基盤を確保した上で、将来の企業成⻑に向けた投資と株主還元の充実を図ります。株主還元の指標・⽬標は、「連結配当性向 30%以上」から「連結総還元性向 35%以上」に⾒直しました。利益配分の優先順位については、i) 研究開発や設備投資、M&A・提携、⼈財育成など将 来の企業成⻑に向けた投資、ii) 株主還元としています。株主還元については、業績の伸⻑に応じて安定的な増配を⾏うとともに、⾃⼰株式の取得は、今後の事業展開、投資計画、内部留保の⽔準、株価の推移等を総合的に考慮し、機動的に実施します。3 ヵ年合計で280億円以上の株主還元を予定していますが、将来の投資計画の進捗によっては、追加の株主還元も検討します。

業績予想の適切な利用に関する説明

業績見通し等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報および合理的であると判断する一定の前提に基づいており、当社としてその実現を約束する趣旨のものではありません。実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。