日本光電はこの度、手術時においてシリンジポンプによる静脈麻酔薬の投与量を自動制御する全静脈麻酔支援シリンジポンプ制御ソフトウェア ROP-1680 AsisTIVA(アシスティヴァ)のプロモーションを開始します。本ソフトウェアは、日本初のロボット麻酔システムの一部であり、生体情報モニタで取得したBIS※1およびTOF※2等のデータに基づき、成人患者さんの全静脈麻酔時に投与する麻酔薬(鎮静薬、鎮痛薬、筋弛緩薬)の量を自動的に演算し、シリンジポンプの設定をクローズドループ制御します。
2018年から国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の支援を受け、国立大学法人福井大学 医学部麻酔・蘇生学が国立研究開発法人国立国際医療研究センターなどの複数の医療機関および当社と共同で医師主導による治験と開発を進め、2022年9月にプログラム医療機器(SaMD:Software as Medical Device)として承認を取得しました。日本における全身麻酔手術は約220万件で増加傾向にありますが、麻酔科医の全国的な不足や長時間労働等が課題となっています。本ソフトウェアの活用により、麻酔科医の業務負荷軽減や医療安全の向上への貢献を期待しています。
公益社団法人日本麻酔科学会の適正使用指針で定められた使用条件に合致する国内の医療機関において、本ソフトウェアの適応に関する十分な知識・経験を有する麻酔科医が使用する予定です。3~12ヵ月の使用期間に応じたソフトウェアライセンスを提供し、今後3年間で100セット以上のライセンス販売を見込んでいます。
本ソフトウェアの主な特長は次のとおりです。
1.麻酔薬(鎮静薬、鎮痛薬、筋弛緩薬)の自動制御
全身麻酔の3要素と言われる鎮静・鎮痛・筋弛緩に対応する薬剤である鎮静薬(一般名:プロポフォール)・鎮痛薬(一般名:レミフェンタニル塩酸塩)・筋弛緩薬(一般名:ロクロニウム臭化物)の投与の自動制御を実現。
2.全静脈麻酔(TIVA:Total Intravenous Anesthesia)をサポートする情報を集約
本ソフトウェアをインストールしたパソコンの基本画面に、患者情報、薬剤の効果部位濃度・血中濃度と関連するバイタルサインのトレンド、シリンジポンプの流量情報、麻酔開始からの薬剤の投与履歴と次の操作・投与予定を表示。
3.当社生体情報モニタネットワークを活用
当社生体情報モニタネットワークに本ソフトウェアをインストールしたパソコンを接続することで、BISやTOF等のデータをオンラインで取得。また、同一ネットワーク内のROPライセンス管理サービス(ROPLiS)でライセンス情報やシステム情報を管理。
<用語説明>
※1 BIS(Bispectral Index):脳波等を解析することで算出される麻酔深度・鎮静度を表す指標。
※2 TOF(Train-of-four stimulation):4つの電気刺激により筋弛緩の状態を評価。
<製品構成イメージ>
<本ソフトウェアと組み合わせて使用するシリンジポンプ・生体情報モニタ>
販売名 |
承認・認証番号 |
製造販売業者 |
テルフュージョン シリンジポンプSS型3TCI TE-SS830T |
23000BZX00021000 |
テルモ 株式会社 |
テルフュージョン シリンジポンプSS型3 TE-SS830N |
22900BZX00400000 |
|
テルフュージョン 輸液ポンプLM型の付属品 テルフュージョン通信ラックシステム TE-RS800N |
22400BZX00229000 |
販売名 |
承認・認証番号 |
製造販売業者 |
ベッドサイドモニタ CSM-1000シリーズ ライフスコープG |
22500BZX00483000 |
日本光電工業 株式会社 |
ベッドサイドモニタ CSM-1000シリーズ ライフスコープG7/G5 |
229ADBZX00128000 |
|
ベッドサイドモニタ BSM-6000シリーズ ライフスコープTR |
22000BZX01138000 |
<医療機器承認番号>30400BZX0022700
<全身麻酔用医薬品投与制御プログラムに関する適正使用指針>
https://anesth.or.jp/files/pdf/guideline_drug_administration_control_program.pdf
お問合せ先: 事業戦略本部 企画統括部 生体モニタ企画部
TEL 03-5996-8032
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