当社技術開発本部青柳研究室長の青柳 卓雄氏が、2020年4月18日に逝去いたしました。

青柳 卓雄氏は、1971年の入社から現在に至るまでの約半世紀の長きに亘って、パルスオキシメータの研究開発に従事されました。

1974年に、世界で初めて光を使って血液中の酸素飽和度を非侵襲に連続測定することのできるパルスオキシメトリの原理を発明され、今やその技術は世界中の医療現場に普及し、全身麻酔手術の安全性を飛躍的に高め、世界中の多くの患者さんの命を救っています。まさに、パルスオキシメータの発明は、世界の歴史に残る偉業となりました。

この功績により、2002年に紫綬褒章を受章、2015年には日本人として初めてIEEE Medal for Innovations in Healthcare Technologyを受賞されました。

現在、世界的に猛威を振るっている新型コロナウイルス感染症の治療においても、患者さんの容態把握にパルスオキシメータはなくてはならない重要な役割を担っています。

研究開発に真摯に取り組む姿勢は、医用工学に従事する者にとってまさに模範でありました。つい先日まで、パルスオキシメータの抜本的改良に向け、精力的にご活動されていたお姿が思い出され、残念でなりません。

謹んで哀悼の意を表すとともに、ご生前のご功績をしのび、心からご冥福をお祈り申し上げます。

 

 

 

日本光電工業株式会社

代表取締役社長執行役員

荻野 博一