不整脈とは

電気興奮が刺激伝導系を正しく伝わらず、刺激伝導系以外の道筋を通って興奮が伝わったり、司令塔以外の別の場所から異常な電気刺激が発生してしまうと、心臓の規則正しい拍動が乱れ、不整脈になります。不整脈を大きく分類すると脈が遅くなる「徐脈性不整脈(じょみゃくせいふせいみゃく)」と、脈が速くなる「頻脈性不整脈(ひんみゃくせいふせいみゃく)」があります。

 

カテーテルアブレーション治療の対象となるのは頻脈性不整脈のうちの房室回帰性頻拍(WPW 症候群)、房室結節リエントリー性頻拍、心房細動、心房粗動、心房頻拍、頻発性心室期外収縮、心室頻拍です。ここでは代表的な心房細動心房粗動房室回帰性頻拍(WPW症候群)について説明します。

しんぼうさいどう

心房細動(増加傾向にある不整脈!)

心房内で電気のうずが多数発生し、けいれんを起したような状態になり、非常に速い頻度(300~600回/分)で心房が電気的に興奮する不整脈です。

不整脈の中でも、最近65歳以上の高齢者に多く見られるのが、心房細動という不整脈です。心房細動が起こると、心臓のリズムが不規則になり血液をうまく送り出せなくなるだけでなく、心臓で血栓が作られ、それが脳梗塞を引き起こす原因となります(脳梗塞の約30%は心房細動が原因であるといわれています)。簡単な心電図の検査で見つけることができますので、早期発見し、早期治療することが大切です。

しんぼうそどう

心房粗動

右心房内で1つのうずが発生し、心房興奮循環が毎分250回以上になる不整脈です。

ぼうしつかいきせいひんぱく

房室回帰性頻拍(WPW症候群)

正常な刺激伝導系だけでなく、副伝導路(ケント束)という別の通り道が存在するため、電気興奮が心房と心室を含む大きな興奮回路を生じてしまう不整脈です。

監修:高橋 淳