EEG(脳波)ヘッドセット

救急領域への貢献 ~煩雑な前処理をなくし迅速な脳波測定を実現~

原因不明の意識障害患者への脳波測定の必要性に対し、電極装着の煩雑さなどの理由により、熟練した医療従事者が必要なことが課題となっていました。
EEG ヘッドセットは、患者さんの頭部にヘッドセットを被せることで脳波を測定し、無線方式で脳波データを送信・保存します。
救急・集中治療の現場で迅速な脳波モニタリングを可能にしたテクノロジーで、脳波測定に不慣れな医療従事者でも簡単かつ迅速に脳波を測定できるようになりました。

オートショックAED(自動体外式除細動器)

救助者の心理的負担の軽減を目指して

心室細動を起こした心臓に電気ショックを与え、正常なリズムに戻すAED。日本光電は日本で唯一、国産のAED を開発・生産しています。


AED 設置台数は世界トップクラスの日本ですが、AED 使用率はまだまだ低い状況のなか、日本光電は救命率向上のため、誰もがためらいなくAED を使用できる社会の実現を目指した取り組みを進めています。


オートショックAED は、救助者がショックボタンを押す必要がなく自動で電気ショックを行うため、救助に対する心理的な負担の軽減、使用率向上が期待されます。また、電気ショックまでの時間短縮により、蘇生率のさらなる向上を目指しています。


さまざまな環境での使用に応えるため、日本光電のAED は機能・性能の向上を追求し、進化し続けています。

人工呼吸器用マスク

患者さんに、より快適なマスクを ~日本人の骨格に合ったマスクの開発~

気管内挿管や気管切開を行わない人工呼吸で使用するNPPV~{※}マスク。
NPPV マスクは、毎日長時間装着し続けるため、不快感が強いと患者さんの負担が大きく、治療の妨げにもなりかねません。


フィット感を向上させ「マスクの締め付けから起こる皮膚トラブル」や「リーク(空気もれ)」を改善するマスクを作りたい。
治療を受ける患者さんのストレスを少しでも軽くしたい。
そんな想いから新しいマスクの開発がスタートしました。


開発にあたっては多くの日本人の顔型を精密に分析。
日本人の骨格に合う独自のデザイン、べたつきの少ない素材の採用で、より快適なフィット感のマスクが完成しました。
治療を受ける患者さんの、よりストレスの少ない治療を支えています。

 

※NPPV : non-invasive positive pressure ventilation、 非侵襲的陽圧換気

全自動血球計数・赤血球沈降速度測定装置(海外向け)

2分で検査結果を表示
新興国での感染症・炎症の迅速な判断・診療方針の決定に貢献

海外市場向けに開発したこの製品は、世界で初めて白血球・赤血球の分類と赤血球沈降速度(ESR) の同時測定を実現しました。


結核がいまだ深刻な病で子どもの感染も多い新興国。赤血球が沈む速さであるESR は、海外、主に新興国で結核などの感染症やリウマチなどの炎症のスクリーニング、経過観察で測定されています。
しかし従来の検査方法(血液を凝固剤と混ぜ、ガラス管に入れて赤血球が沈むのを待ち、血しょうと分離した赤血球が何mm 沈んだかを読み取る) は時間もかかり、温度や検査者の手技から生じる測定値の誤差が懸念されていました。


本製品では従来方式では30分から1時間ほどかかっていた検査が、2分という短時間で測定できるようになりました。
また血液を吸わせるだけで自動で測定するため、検査者の手技から生じる誤差の解消にも貢献。疾患状態の的確な判断、診療方針の決定への貢献が期待されています。
加えて従来方式では血球の分類検査とESR 検査には採血管2本分の採血が必要でしたが、この製品の開発により1本の採血管での測定が可能となりました。このような面からも患者さんの負担の軽減に貢献しています。

新生児蘇生モニタ

防ぎ得る新生児死亡の根絶を目指して
新興国での新生児蘇生法の普及にも貢献

新興国を中心に深刻な課題となっている新生児死亡率。仮死状態で出生する新生児の多くは呼吸不全などの状態にあります。
このような赤ちゃんを助けるためには一刻も早い蘇生処置が必要ですが、先進国と比べ、新興国では人口に対する医療従事者の数、教育、設備の不足などの課題があり死亡率減少が大きく進まない現状があります。


本製品は、新生児蘇生法で求められる心電図やSpO_{2}(動脈血酸素飽和度)、呼吸流量、気道内圧といった新生児蘇生に特化した項目をモニタリングする装置です。
開発にあたっては、新興国での電源事情を考慮し乾電池での駆動としたほか、簡易な操作・言語に頼らない表示・小型軽量・耐衝撃性・防水性を実現しました。


日本光電は、本製品の普及を通じて適切な新生児蘇生法をサポートすることにより、新生児の死亡率および重篤な後遺症を低減し、SDGs 達成に貢献することを目指しています。