PEOPLE 01 - 技術

AI技術による
精緻な解析で
より多くの命を救う。
T.K.

日本光電工業株式会社
荻野記念研究所 開発部
AIプロジェクト

2015年入社 理工学研究科 総合デザイン工学専攻 修了

川島 拓也
学生時代、家庭教師のアルバイトでクリニックの先生のお子さんを担当したことをきっかけに、医療に向き合う人の格好良さに惹かれる。
同業他社も並行して受けるものの、社員の人柄が決め手となり、日本光電に入社。
現在はエンジニアとしてAI、特にディープラーニング技術を用いた研究開発に携わる。

CHAPTER 01

人が見れば
一目瞭然でも、
機器では
そうはいかない。

精度の高い測定。それは医療機器に、第一に求められるものであり、日本光電の強みでもある。しかし、測定した心電図や脳波などの波形の解析も医療機器の大事な機能の一つだ。長年にわたり研鑽し続けた知見と技術により、解析の領域でも日本光電は高い優位性を持っている。一方で、人の目による解析と比較したとき、その水準にはまだ隔たりがあるのも確かだ。

人による解析と、自動解析。その間には、多くの壁がある。例えば、電極の装着が不完全な場合、生体信号にノイズが混入する。知見のある者が波形を見れば、ノイズの混入は一目瞭然だが、自動解析では判定が難しい。こうした壁を越えることができれば、より迅速に適切な処置を行うことができ、多くの命を救うことができる。

CHAPTER 01

CHAPTER 02

日本光電こそが、
AI活用の先陣を
切らなければならない。

では、なぜ判定が難しいのか。それは、人の手で判定ロジックをつくっていることによる。例えば、犬と猫の違い。ほとんどの人は、造作もなく見分けがつくだろう。ところが、その違いを文章で説明するとなると、途端に難易度が跳ね上がるのと似ている。この壁を乗り越えるために、私はAIの活用に取り組んでいる。

AI技術による解析は、適切な教師データを大量に学習させることで、様々な課題に適用することができる。日本光電はこの領域で戦うにあたり、圧倒的な強みを持っている。それは、電子機器だけでなく、患者さんとの接点となるセンサ、さらにそのデータを集約するシステムも自社で開発しているため、大量のデータを収集できる基盤を保有していることだ。収集したデータを解析元として活用できれば、自動解析の精度も劇的に上がっていく。

CHAPTER 02

CHAPTER 03

医療の未来を切り拓く
存在であり
続けるために。

AIに向けての壁は、まだある。生体情報の学習により、判定ロジックを変更していく。それはつまり、以前のロジックであれば判別できていた異常が判定できなくなる可能性を含んでいる。しかし、それもAIと従来の技術を組み合わせることで、解決できるはず。その実現に向け、研究開発に励んでいる。

現在、日本光電が業界のリーディングカンパニーとしての地位にあるのも、先人たちが当時には不可能と思えたことに、技術と熱意で挑み続けてきた結果だ。その挑戦の火を絶やすことなく、今後も日本光電が医療の未来を切り拓く存在であり続けるため、必ず私の手で成功させてみせる。

CHAPTER 03
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