医用電子機器メーカの日本光電はこの度、2010年1月に薬事承認を取得した、迷走神経刺激装置 VNSシステム(抗発作用迷走神経電気刺激装置)の発売を7月1日に開始します。
本製品は、厚生労働省から医療ニーズの高い技術と認められ、優先審査の対象となった医療機器で、難治性てんかんの治療に高い効果が期待されます。海外においてはすでに約5万台以上の使用実績があります。
自律神経を正常に保つ迷走神経を刺激することによって、薬が効かないてんかん発作を患う患者さん(開頭手術で治療可能な場合を除く)の発作頻度を軽減する、植え込み型の電気刺激装置で、Cyberonics, Inc.(サイベロニクス インク、本社:アメリカ テキサス、CEO: Daniel J. Moore)製です。左胸部に電気パルスを発生させるパルスジェネレータを植え込み、左頚部の迷走神経束に神経を刺激するためのリードを巻きつけます。植え込み後は、専用のプログラム装置を使用することで、体外からパルスジェネレータの設定の変更や記録データの抽出ができ、患者さんのフォローアップが可能です。
国内のてんかん患者数は約20万人で、そのうち約30%は薬物療法の効果がない難治性てんかんと言われます。今後日本においても、薬が効かないてんかん発作を患う患者さんにとって、薬剤治療・開頭手術に加えて新たな治療の選択肢として大いに期待される製品です。
脳波計など脳神経診断機器のパイオニアとして50年以上、臨床現場に商品を提供してきた当社の強みを活かし、今後は、脳機能障害をもつ患者さんの診断から治療まで、治療の流れにそってトータルサポートしていきます。
さらに、新中期経営計画「SPEED UP V」の重要課題として掲げる、治療機器事業の拡大・強化を推進していきます。
本製品の償還価格は、パルスジェネレータ164万円、リード17万9千円です。
< Cyberonics, Inc.について >
1987年創業で、迷走神経刺激装置のパイオニア。1997年にアメリカでFDA承認を取得し、現在では世界70カ国で承認され、約5万台が使用されています。 |
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