難聴について
はじめに
難聴の程度は実に様々です。 難聴による聞こえにくさを改善するためには「補聴器」があったり、また程度によっては「人工内耳」という選択も考えられます。重要なことは難聴の内容を知り、その程度により最適な対処を行うことです。 お子様を呼んでも気がつかない、大きな音がしても反応しないなど、難聴が疑われましたら直ちに病院で検査を受けるようにしましょう。 お子様のコミュニケーション能力の発達には早期診断、早期治療が有効であると言われています。 |
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聞こえを知る
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各部の名称 耳介: 外から見える部分で、音を拾いやすくします。 外耳道: いわゆる耳の穴です。音はこの中を通って伝わります。 鼓膜: 外耳道の奥にあり音により振動する膜です。 耳小骨: 小さい骨で鼓膜の奥にあり、音を増幅します。 3つの骨からなり、それぞれツチ骨、キヌタ骨、アブミ骨といいます。 蝸牛: かたつむりの殻のような形をしていて、この中に有毛細胞という細胞があります。有毛細胞は伝わってきた音を神経に伝える働きをします。 |
聞こえのしくみ
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難聴の種類
(1)伝音性難聴 … | 外耳や中耳の問題が原因で起こる難聴を伝音性難聴と呼びます。 主に外耳道が塞がってしまっていたり、鼓膜が傷ついていたり、中耳炎を起こしていることが原因の場合があります。 伝音性難聴では軽度から中度の難聴となる場合が多いです。 薬物療法、外科的治療などの治療法があり、場合によっては補聴器を装用し聞こえを補うことがあります。 |
(2)感音性難聴 … | 内耳から聴神経の問題で起こる難聴を感音性難聴と呼びます。 感音性難聴では中度から重度の難聴となる場合が多いです。 補聴器の装用で効果がない場合は人工内耳などを使用することがあります。 |
難聴の程度
難聴の程度の分類は様々な分類方法がありますが一般的な分類を紹介します。

※人工内耳の埋め込みには、適応基準等が設けられています。
小児(18歳未満)の場合

※人工内耳の埋め込みには、適応基準等が設けられています。
小児(18歳未満)の場合
- 適応年齢 原則1歳以上(体重8kg以上)
- 両耳とも平均聴力レベルが90dB以上
- 少なくとも6ヶ月以上にわたる最適な補聴と療育を受けても、両耳とも平均補聴レベルが 話声レベルを超えず、補聴器のみでは音声言語の獲得が不十分と予想された場合
- 年齢制限なし
- 補聴器の装用効果が乏しい場合に適応
難聴の早期発見
生まれながらにして耳が不自由な先天性難聴は早期発見、早期療育がその後の言語発達に有効であると言われています。 近年では難聴の早期発見、早期治療をめざして新生児聴覚スクリーニング検査が生後数日で行われることが世界的潮流で、日本でもその実施率は60%を超えていると報告されています。 また最近の、早期療育開始と日本語の言語発達における研究*では、「早期の療育開始により、コミュニケーション能力良好となる確率は約3倍上昇する」と述べられています。 *笠井紀夫「2-2 1.早期の療育開始はどのような意義を持つか」『聴覚障害児の日本語言語発達のために~ALADINのすすめ~』 |
難聴の診断
難聴の診断では聴力検査などの機能検査を行います。 聴力検査には、純音の聞こえを検査する純音聴力検査や、実際の言語の聞き取りを検査することばのききとり検査、鼓膜の状態を検査するチンパノメトリーなどがあります。聴力診断が困難な乳幼児に対しては、聴性脳幹反応や聴性定常反応などの他覚的検査も有効です。 |
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聴力測定方法の一例
(1)純音聴力検査
測定機器から音を出し、聞こえたらスイッチを押す検査です。
周波数ごとにどのくらいの音まで聞こえているのかを検査します。
ヘッドホンなどから音を出す気導検査や、音を骨に伝えて聞かせる骨導検査があります。
(2)語音聴力検査
テープなどに録音した一定の大きさの言語を聴き取る検査です。
どの程度の大きさの声で話せば聞き取れるのかを調べます。
(3)チンパノメトリー
外耳道を密閉し圧を変化させた時の鼓膜の動きを測定して、中耳の状態を検査します。
(4)耳小骨筋反射検査
中耳にあるアブミ骨は大きな音が入ると抑制するように働きます。このことを利用して音が聞こえているか。また耳小骨の可動性があるかを検査します。
(5)耳音響放射(OAE)
音を聞かせて、内耳から反射して戻ってきた音を他覚的に検査します。
新生児の聴覚スクリーニング検査に使用します。
(6)聴性脳幹反応(ABR)
音を聞いた時の脳波を解析して、音が聞こえているかを他覚的に検査します。
(7)聴性定常反応(ASSR)
様々な高さの音を聞かせて、周波数ごとにどのくらいの音まで聞こえているのかを 他覚的に検査します。
測定機器から音を出し、聞こえたらスイッチを押す検査です。
周波数ごとにどのくらいの音まで聞こえているのかを検査します。
ヘッドホンなどから音を出す気導検査や、音を骨に伝えて聞かせる骨導検査があります。
(2)語音聴力検査
テープなどに録音した一定の大きさの言語を聴き取る検査です。
どの程度の大きさの声で話せば聞き取れるのかを調べます。
(3)チンパノメトリー
外耳道を密閉し圧を変化させた時の鼓膜の動きを測定して、中耳の状態を検査します。
(4)耳小骨筋反射検査
中耳にあるアブミ骨は大きな音が入ると抑制するように働きます。このことを利用して音が聞こえているか。また耳小骨の可動性があるかを検査します。
(5)耳音響放射(OAE)
音を聞かせて、内耳から反射して戻ってきた音を他覚的に検査します。
新生児の聴覚スクリーニング検査に使用します。
(6)聴性脳幹反応(ABR)
音を聞いた時の脳波を解析して、音が聞こえているかを他覚的に検査します。
(7)聴性定常反応(ASSR)
様々な高さの音を聞かせて、周波数ごとにどのくらいの音まで聞こえているのかを 他覚的に検査します。
きこえの「補助」と「代行」
●補聴器
難聴がある方の1つの手助けとなる機械として「補聴器」があります。補聴器は音を増幅させ、きこえの「補助」を行ってくれる機械です。
補聴器の種類としては耳穴式、耳掛け式、ポケット式、眼鏡式などがあり、使用する条件に合わせてコンピュータで調整するプログラマブル型や音声をデジタル変換にして聞きやすくするデジタル型など新しいタイプも登場しています。
個々の聞こえの状態に適した調整(フィッティング)された補聴器を使用することが重要です。
●人工内耳
難聴がある方へのもう1つの手助けとなる機械として「人工内耳」があります。
人工内耳は蝸牛の「代わり」に音を電気信号に変換し、直接神経を刺激して脳へ電気信号を送る装置です。
きこえの神経を適切な信号で刺激することで脳で環境音や、音声、言葉を感じることができます。
難聴がある方の1つの手助けとなる機械として「補聴器」があります。補聴器は音を増幅させ、きこえの「補助」を行ってくれる機械です。
補聴器の種類としては耳穴式、耳掛け式、ポケット式、眼鏡式などがあり、使用する条件に合わせてコンピュータで調整するプログラマブル型や音声をデジタル変換にして聞きやすくするデジタル型など新しいタイプも登場しています。
個々の聞こえの状態に適した調整(フィッティング)された補聴器を使用することが重要です。
●人工内耳
難聴がある方へのもう1つの手助けとなる機械として「人工内耳」があります。
人工内耳は蝸牛の「代わり」に音を電気信号に変換し、直接神経を刺激して脳へ電気信号を送る装置です。
きこえの神経を適切な信号で刺激することで脳で環境音や、音声、言葉を感じることができます。
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