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ホーム > VNS 患者さま体験談 > 東京都在住 K.O.さん 体験談(掲載日:2016年3月16日)

一般の皆さまへ

子供の発達を実感するたびに思う、
あの時勇気を出して外科治療をして良かった。

イラスト母 プロフィール
東京都在住 K.O.さん。てんかんを持つ4歳のお子さんのお母さん。2015年1月頃にVNSの治療を受けられました。
てんかんと診断されてから、外科治療の検討に至るまで
息子は、生後4カ月ごろから笑わない、活気のない子でした。夫婦間では心配していましたが、定期健診で相談しても発育良好と診断され、自分たちで解決しなければならない状況に追い詰められました。その後、地域病院で「点頭てんかん、遺伝子異常による結節性硬化症」と診断されました。ACTH(ホルモン治療)を1クール実施したのち、抗てんかん薬による治療が始まりました。
あの頃の私は、ランドセルを担いで元気に走り回る子供を見ては涙が出ました。我が子にその未来はあるのかと、落ち込んでいました。
それでも何とかしてあげたいという思いから、医療文献を読み、この病気の治療に最適な道を調べました。
しかし、てんかん発作はなかなかおさまらず、強直発作、複雑部分発作など、発作が多様化していきました。薬の調整とさまざまに形を変える発作のいたちごっこになり、3歳6カ月までに10種類の薬を試しました。
色々な薬を試していくうちに、息子は活気がなくなっていきました。体がだるいのか家でゴロゴロして、声も出ず、しっかり目も合わず、周りの情報が入ってこないような様子でした。私は、てんかん発作を抑え込むために使っていた薬が息子の脳の活動、発達まで滞らせてしまったのではないかと思いました。
何種類もの抗てんかん薬の用量・薬同士の組み合わせ・本人の体質。これらを掛け合わせて我が子に合う薬剤治療をみつけることは、現時点では難しいと判断しました。
外科治療に対する迷いと決断~脳梁離断+迷走神経刺激療法の組合せ治療~
そして外科的治療を考えるようになり、都内のある脳神経外科を受診し、「てんかん外科治療適応」と判断されました。ただ、その時期は抗てんかん薬4剤を使用して、欠神発作のようなぼーっとする発作だけであったため、手術に踏み切るのは迷いがありました。しかし、脳波をとると必ずてんかん波が出ており、何より息子がその時の発作を多少抑えられていたとしても、発達・遊び・生活がしっかりできる状態ではありませんでした。それが手術を決意した一番の要因です。

まず、脳梁離断術を行いました。

その後、てんかん発作抑制の相乗効果を狙って、迷走神経刺激装置(VNS)植込み術を行いました(以下 VNSと呼ぶ)。
この当時、日本でのVNS療法が5年弱であることに心配し、機械を体に植込むことにも抵抗がありました。しかし反対に、VNSを植込むと知的発達が伸びやすいと聞いたことや、実際にVNS治療を受けている人の声を聞くなど、さまざまな情報を集め、夫婦で決断しました。
迷走神経刺激療法(VNS)の効果と副作用
VNS植込み後、息子はやせているので、少しパルスジェネレータが盛り上がってみえるくらいで、刺激設定を調整していた期間も含め発作はなく現在1年2ヶ月経過しています。
また、現在使用してはいませんが、VNSは、外部からマグネットをあて任意のタイミングで刺激を送ることができるため、今後もし本人が発作前の不快感など前兆を言えるようになれば、もし発作があってもマグネットを使って防ぐことも可能だと期待しています。

副作用については、手術して10日後に刺激をスタートさせた際に声が電子音のように聞こえる時があったり、刺激値をアップした時は、泣いて機嫌が悪いことがよくありました。それらの症状は、一時的で今は全くないです。計6回、1カ月に1回、0.25mAずつ刺激値を上げ、現在のところ1.50mAの設定で様子を見ています。
最大の望みだった子供の発達について
滞っていた発達も目に見えて伸びはじめました。以前は、少し歩けても実用的なほどではありませんでした。それが、今は歩行距離も伸び、スーパーの中では手をつなげば一緒に買い物ができるようになりました。とくにVNS治療後、体幹が安定してきて、長時間椅子に座ることができるようになったり、手すりをつかめば階段の上り下りができるようになりました。目線がそれまでと変わり、いろいろなものに興味が出始めて、おもちゃに手を伸ばして遊んでくれます。物を持ち続けることができるようになったこと、咀嚼力が強くなったことで、リンゴにフォークを刺しておけば自ら食べることができるようになりました。 発語は1つだけですが、有義語が出てきました。また、ジュース、お茶という物がなんのことかわかったり、おなかが減ったら食事の椅子に座るなど、絵カードなどでやりとりが少しできるようになりました。

てんかん発作がなくなったことで、情報がつながって色々な記憶がインプットされるようになった気がします。まだまだ成長過程ですので、生活動作を教えたいとおもうところですが、息子にはまず遊ぶ心と体作りが必要だと思っています。
同じようにてんかんと向き合っている方へのメッセージ
多くの情報や、いろいろな葛藤がある中、主治医と治療方針を決めていかれると思いますが、今の我が子の状態を考え、てんかんという病気に対して現在そして未来の発作も防げるように、外科治療を選択する道もあるので、私たちの経験が参考になればと思います。

※ 効果の程度には個人差があります。また、記載の事例は必ずしもすべての方にあてはまるというものではありません。 詳しくは主治医の先生にご相談ください。

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