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ホーム > VNS 患者さま体験談 > 東京都在住 T.F.さん 体験談(掲載日:2017年11月17日)

一般の皆さまへ

自分で決めたVNS治療。
自分のてんかんとまっすぐに向き合っています。

プロフィール>
東京在住 T.F.さん。てんかんを持つ30代男性。2016年8月頃にVNSの治療を受けられました。
てんかん発作自体のつらさ、発作に関する理解についての悩み

てんかんとの付き合いは30年近くになります。私の場合、右半身で発作が起きます。
発症してから「てんかん」との診断がつくまで数年かかりました。当時、病院の検査ではてんかんに結びつく異常がみつからなかったからです。

てんかんと診断された後、処方された薬をいろいろと試しましたが、目がクラクラして焦点が合わなくなり、まっすぐ歩けないといった強い副作用が出てしまいました。また、ひどい発作のときは、けいれんの後に気絶してしまい、気がつくと全身が痺れて舌も動かせず、再びけいれんが起こり気絶してしまう…という状態でした。

そこで、少し遠方のてんかん専門病院にかかり、薬の処方を変えてもらったところ、副作用・発作ともにとても改善しました。

当時の悩みは、発作時に自分が望む対処と、そばで一連の状況を見ている家族が行ってくれる対処の違いでした。
私は発作が起きそうになると、倒れて頭をぶつけないように、ソファーにもたれるようにしていました。
家族は、私が発作で硬直状態になると体を揺さぶったり、ビクビクしている頬のあたりをさすったり、なにか返事ができるか声をかけてくれたりしました。そして発作が落ち着くと水を持ってきてくれるのですが、残念ながらそれらはすべて心地良いことではありませんでした。

発作を抑えようとしているのに大きく揺さぶられ、けいれんを起こしている筋をさすられ、しゃべれないのに返事を求められ、大変つらかったです。また心配して持ってきてくれる水も、発作直後は味覚が変わってしまっているため非常に不味く感じてしまい、かえってストレスになっていました。
そのため私は「発作が治まったらしばらく放っておいて休ませてほしい」と伝えましたが、家族からは「反抗期だなぁ」と思われてしまい、なかなか理解してもらえない、ということがありました。
心配してくれての行動なので責める気はありませんが、本人の感じ方・希望について理解を求めるだけでも簡単にはいかず、どうしたものか困った時期があったのを覚えています。

迷走神経刺激療法(VNS)の選択と症状の変化について

VNS治療については自分で情報を得て、手術が受けられる病院を受診しました。

VNS治療で現状より発作が悪化することはない、と判断したうえでの受診でしたので、治療への抵抗は特にありませんでした。
手術を受けるにあたり、さまざまな精密検査を受けたことで、ようやく自分のてんかんの原因が分かりホッとしました。
またそれによって、私の場合、開頭手術については合併症のリスクが大きいという説明も聞いたので、もともとの自分の希望どおりVNS治療を受けることにしました。

VNS治療を受ける前は、寝ている時によく発作が起きていました。しかし今では、発作が起きているのかどうか自分では分からない程度なので、もし発作が起きているとしても相当短時間になったのだと思います。
夜中にふと目が覚めてしまっても「発作かな?ただ単に起きただけなのかな?」と考えつつ再び寝ます。
まれに自覚できるレベルの発作も起きますが、以前はあった発作後の倦怠感を感じなくなりました。

VNS治療の主治医へは数カ月ごとに通院して、気になることがあったら相談しています。
例えば、VNSの刺激による嗄声について相談した際は、刺激設定を変えてもらい、改善しました。また、携帯電話の通話音声に雑音が入るようになったことがあり、もしかしたら胸に埋め込んだパルスジェネレーターが原因ではないかと思ったので主治医に相談し、試しに設定を変えてもらったところ、改善されました。

VNS治療経験者としての感想ですが、小さなお子さんの場合は、特に受けておいた方が良いと思います。
VNSと薬で緩和するのがベストではないかと感じています。
薬は成長段階での体重や体質の変化に伴って変更し続ける可能性がありますが、VNSは成長に左右されない点でも非常に安心だと思います。

同じようにてんかんと向き合っている方、ご家族へのメッセージ

私は、VNS治療の手術をした病院と抗てんかん薬を受け取る病院が違うのですが、ときどき会うてんかん仲間の話を聞いて情報収集したいので、そのようにしています。
てんかん仲間の皆さんと話していると、てんかんは一人一人性質が異なっていることが見えてきます。
その違いは発作症状、薬の量、発作のきっかけになりやすいストレスの種類だったりします。

これは私の考えになりますが、患者本人として、家族や周りの方には、治療を受けやすい環境づくりを手伝ってほしいと思います。私も当初は「障害者自立支援法」や「精神障害者保健福祉手帳」「障害者雇用促進法」などについて全く知りませんでした。本人は発作のことでいっぱいいっぱいになってしまうので、そういった社会制度について調べてもらえるととても助かると思います。
また、薬をちゃんと飲んでいるか確認するなどのサポートもありがたいです。

患者さん本人については、それぞれに可能な範囲で、自分のてんかんとまっすぐに向き合うために、
・自分でできることはなるべく自分で行動すること
・どんな症状なのか医師に伝えられるようにすること
が大切だと思っています。

 
※ 効果の程度には個人差があります。また、記載の事例は必ずしもすべての方にあてはまるというものではありません。 詳しくは主治医の先生にご相談ください。

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